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◇猪川町消防本部◇(兵庫)

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猪名川町は、阪神間の東北端に位置し、東は大阪府豊能郡、南は兵庫県川西市、西は宝塚市と三田市、北は多紀郡篠山町に隣接している。管内面横九〇・四一k?u、人口約二八、○○○人の町である。
当町は、豊かな自然環境となだらかな丘陵地に恵まれた地形、及び阪神都市圏に近距離(大阪まで二五?q、神戸まで三〇?q)にある地域性を活かし、自然と調和した快適なベッドタウンとして「水と緑と太陽のあふれる交流都市」をテーマにまちづくりを進め、六万人都市の建設を目指している。消防本部は、平成二年四月開設。現在、一本部一署一出張所、四三名の職員が、三一分団、五〇〇名の消防団員とともに「町民に親しまれるたくましい消防」を目指し話施策を展開している。
♪あれから二年!
戦後最大の被害をもたらした阪神・淡路大震災から早二年が経過した。当町では、この震災直前の平成六年一一月から一二月にかけて、南東部を重源とする群発地震が一〇〇回ほど発生し、住民に大きな不安を与えていた。年が明けてピタリと止んだが、一月一七日…。
当町でも家屋の一部損壊等約二、〇〇〇戸、傷者三人、五、一〇〇世帯で都市ガスが三週間にわたり止まる等の被害が発生したが、神戸・西宮市等周辺都市に比へれば大きな被害には至らなかった。当本部では発災と同時に全職員が参集し管内の被書状況を調査するとともに早速、車両二台により西宮市に応援出場し、救助活動にあたった。
♪積標的な広報情動
【テレホンガイド】前述の群発地の発生に伴い、平成六年一一月、広報用テレホンガイドを八回線設け、地震に係る最新情報(震度計を本部・出張所に設置)の提供をしている。また、災害・予防に係る情報提供もしており、住民に大変好評で、多い日には、一日に四、○○○件を超える利用がある。
【有線放送】「農協」の有線放送を活用した広報活動も行っている。
昨年二月から三月にかけ連続不審火が発生した際には、当本部では消防団と協力し、二四時間体制巡回警戒を実施するとともに、この有線放送を活用、住民の注意心を喚起し、効を奏した。
【その他】本部、町等の広報誌を通じ、住民に対し防災、火災予防等の広報を行っているが、中でも各誌で紹介した阪神・淡路大震災における職員の応援活動「体験記」は、大きな反饗を呼んだという。震災の教訓を活かし、住民の防災意識の高揚を図っている一端である。
♪救急業務高度化への取り組み
当町には救急医療機関がなく、隣接市等の病院に依存している状況である。これに鑑み、当本部では、救命効果の向上を図るため、早くから救急救命士の養成に取り組んできた。現在、五名の救命士がおり、高規格救急車を導入、この三月には運用を開始する。
一方、「町民救急の推進」を重点施策の一つに掲げ、応急手当講習の受講者目標を成人人口の二〇%(三、八○○人)とし、普及啓発活動も積極的に展開している。
♪一斉ポケベル指令!
本部から職員への緊急連絡は、ポケットベルを使用している。この"ポケベル指令"は、連絡内容に応じ暗号化されており、例えば「一一九」=「非常参集」など、電話一本で全職員に迅速に緊急連絡ができる体制となっている。
♪三つの業務指針
当本部は、山口消防長が掲げた三つの業務指針(「使命感と自信を持って仕事に取り組もう」・「町民のニーズを的確に把握し、行動する消防を目指そう」・「努力する人が報われる執務環境を整えよう」)に沿って臓員が一丸となり、「町民に親しまれるたくましい消防」、さらには六万人都市に向けた消防・防災体制の構築を着実に進めている。(鈴木浩永)

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